はじめてJAGMOにいったら走馬灯が見えた話
ゲーム人生の始まり
最寄りのコンビニまで車で30分以上かかる山奥で、僕は育ちました。
遊び場といえば近くの野山か学校のグラウンド。
そんななか出会ったテレビゲームは、片田舎の狭い世界しか知らなかった僕にいろんな世界を見せてくれました。
なかでもロールプレイングゲームと呼ばれるジャンルは、まるで自分がゲームの中に入りこんだかのようにのめり込み、毎日ブラウン管にかじり付いては母親に怒られていたのをよく覚えています。
小学生の僕はたくさんの世界で"主人公"になって、様々な冒険を繰り広げていました。
ー 時には時空を超えて遠い未来へ行ったり
ー 時には父親の仇を取るために、強大な悪に立ち向かったり
ー そして時には仲間をかばって死んでしまったり
そんな僕は、いつしかこれらのゲームを「自分の手でつくりたい」と思うようになっていきました。
クリアの感動と一緒に流れる"スタッフロール"に、自分の名前を載せたいと。
その後社会人になった私は、晴れてゲーム制作の会社に入り、ジャンルは違えど、スタッフロールに自分の名前を載せることができました。
1つ夢がかなったとき「ゲーム以外にも色々なものがつくってみたい」と、今の会社に移り、現在に至ります。
子どもの頃、画面の中にたくさんの世界を見せてくれたゲームが今の私の人生をつくっていると言っても過言ではありません。
思い出と音楽
音楽は、聴くだけでそこに付随する様々な場面を思い出すことができます。
広瀬香美を聴けば真冬のスキー場を思い出すし、TUBEを聴けば夏休みのことを思い出すでしょう。
ゲーム音楽も例外ではありません。
手の汗をズボンで拭いて挑んだ、あのラスボスも。
まさかのヒロインの死に、放心状態になったあのシーンも。
そして母親にコンセントを抜かれた、あの苦い思い出も。
音楽を聴くだけで、そこに紐付いた数々の熱い名場面を思い出すことができます。
…そして今日、JAGMOに行ったことでそれら数々の思い出が、止めどなく溢れかえってきたのです。
JAGMOとは?
JAGMO(JAPAN GAME MUSIC ORCHESTRA)は、ゲーム音楽の演奏を主とする日本初のプロオーケストラ集団です。
私自身ゲーム音楽が大好きで、自身の結婚披露宴でBGMをすべてゲーム音楽にするほどだったのですがJAGMOにはずっと足を運べていませんでした。
もちろん存在は知っていて、機会が合えばぜひ行ってみたいと思っていたのですが、本日ついにその夢がかなったのです!
そもそもオーケストラ自体を生でロクに聞いたことがない私でしたが、とんでもない衝撃を受けて帰ってきてしまったため、熱の冷めないうちにブログにまとめようと思った次第です。
魂を揺さぶられた生演奏
今回私が聴いてきたプログラムはこちらです。
冒頭、クロノクロスの「時の傷痕」が始まった途端、胸が締め付けられるような不思議な感覚に見まわれ、同時にいきなり涙がこぼれてきました。
自分でも自分の感情が分からずにコントロールできないまま、とにかく指揮者を見つめピクリとも動けずに会場の音をひたすら感じ取っていました。
聞いていくうちに少しずつ色々な演奏者さんを見る余裕ができ感じたのは、その人達の一挙手一投足、気持ちのすべてが音に込められているということでした。それは、生演奏でしか感じられないものなのだと。
演奏者の方たちから無数の手が飛んできて自分の魂をわしづかみにされてブンブン振り回されているような、そんな感覚でした。
曲順とストーリー
タイトルがクロノトリガーに移り、順番に曲が演奏されていきます。
そこでさらに心を動かされたのは、曲順がきちんとストーリーの順番にあっているということ。
曲の展開だけを考えたら、もっと綺麗に聞こえる順番があるのかもしれませんが、「ゲーム音楽」としてきちんとストーリーにまで配慮されているのには、流石の一言。
曲を聞いているだけで、目の前に名場面が浮かんでは消え、ごく短時間ではありますが、もう1回クロノトリガーを再プレイしたような気分になれます。
当初「演奏で2時間って長いな」と思っていた自分はどこかにいってしまっていて、演奏が進むに連れて「このまま終わらないでほしいなぁ」と思うようになっていました。
メドレーのワクワク感
今回の演奏では、各ゲームタイトルごとに演奏が区切られ、1つのタイトル内では複数の曲を途切れさせること無く、メドレーでつないでいました。
そのつなぎ方やアレンジがまたとんでもなくかっこ良く作られていて、一度聴いたことのある曲でも懐かしさとともに斬新な印象を受けました。
あらかじめある程度曲目を見ていたので「次はどんなふうに繋いでくるんだろう」というワクワク感を感じられるのも、JAGMOの魅力の1つだと気付きました。
編曲者によって様々なバリエーションが出ると思うので、何度行っても楽しめるのではないでしょうか。
涙腺崩壊のラストメドレー
プログラムに組まれた演奏が終わったあと、鳴り止まない拍手に応えるようにしてアンコールの曲が始まりました。
それは「ファイナルファンタジー」のテーマソングから始まり、たくさんの、本当にたくさんの名作の曲を繋いだ壮大な1つのメドレーでした。
そのメドレーに合わせて自分の目の前にいろんなゲームの場面が浮かんでは消え、まるで走馬灯のように駆け巡っていったのです。
ゲームに人生を動かされ、ゲームに人生を捧げてきた自分にとってそれは今までの生き様を振り返っているかのような不思議な体験だったのです。
もはや涙はとどまることを知りませんでした笑
まとめ
ドラゴンクエストが発売されたのが1986年、そして翌年の1987年にファイナルファンタジーが発売されました。
いま20代〜30代の、当時少年少女だったおとなたちなら必ずJAGMOに行くべきだと断言できます。
忘れかけていたちいさな思い出が、プレイしていたゲームの記憶とともに蘇ってくるからです。
そして、当時熱中していたあのアツい気持ちを、いまふたたび思い出すことで、明日を生きる活力につながるからです。
今後のJAGMOの発展に期待しつつ、自分にも何か手伝えることがないか探っていきたいと思います!
これを見てぐっと来たあなたはドンピシャです。いますぐJAGMOにいくべし!!
明日も良いゲームライフを!