大切なことはすべてゲームが教えてくれた

今まで遊んだゲームの分析を主に書いています。

ソーシャルゲームはなぜハマるのか

ゲーミフィケーションという言葉

数年前、一時的に世間で「ゲーミフィケーション」という言葉が一人歩きした時期がありました。

それはちょうど「釣りスタ」や「怪盗ロワイヤル」といった「ソーシャルゲーム」が話題になっていた時期と重なっています。

そしていま、あれほど騒がれていた「ゲーミフィケーション」という言葉はパタッと聞かなくなってしまったと思いませんか?

果たしてゲーミフィケーションとは一過性のバズワードに過ぎなかったのでしょうか。

定義付けと浸透

たしかにいま、その単語を聞くことはほとんどなくなってしまいました。

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書籍「ソーシャルゲームはなぜハマるのか」によればゲーミフィケーションとは以下であるべきだと書かれています。

その本質は顧客ロイヤリティの向上のための手法です。小難しく言えば「顧客が内発的に動機付けられやすい環境を提供することで、サービスの利用を促進する」手法、わかりやすく言うと「顧客に楽しんでもらうことでもっとサービスを使いたいと思ってもらう」手法です。それが皆さんにお伝えできれば、本書の目的は達成です。

要するに既存のWEBサービスやシステムに対して、ユーザー(プレイヤー)が自発的に、内発的動機を持って取り組みたくなる 仕組みを導入することだというのです。

しかし、ゲーミフィケーションという単語を聞かなくなったとはいえ、現在おおくのWEBサービスにこの要素が取り入れられていると言えるのでは無いでしょうか。

なぜなら、例えば話題のスマホオークションアプリ「メルカリ」

これには、いままでのオークションアプリではあまり無かった「イイね!」機能が付いています。

この機能によって、購入者側はたとえ買えなかったとしても「良い」と思った商品に対して評価することができ、またそれは自身のメモのようにも役立ちます。 また、出品者側はいいねがたくさんもらえるだけでモチベーションが高まり、入札者とのやり取りに励みが出たり、次の出品の動機付けにもなっています。

他人(ソーシャル)からの評価を可視化する「フィードバック」は立派なゲーミフィケーションの要素の1つなのです。

いまや当たり前になった「イイね」や「スタンプ・バッジ・トロフィー」「ランキング」といった様々な"内発的動機"づけするための要素は、元をたどればすべて「ゲーミフィケーション」から発生したものなのです。

そして当たり前に

つまり、ゲーミフィケーションという言葉が聞かれなくなったいま、それは消え去ってしまったのではなく、すでに当然の要素として私達の普段の生活に組み込まれているということなのです。

本書にあった

ゲーミフィケーションはあらゆる領域に入り込み、それが当り前となって、気がつくと誰も敢えてその言葉を使おうとはしなくなるでしょう。ちょうど、Web2.0が当たり前のものになり、今や誰もその言葉を使おうとしなくなったのと同じように。

がいままさに現実のものとなっているのではないかと、考えさせられた1冊でした。